プロレスファンの間で常に話題になる“闇堕ち”
ベビーフェイス（善玉）として活躍していたレスラーが、突然ヒール（悪役）へ転向し、
キャラクターやファイトスタイルを一変させる「ヒールターン」を意味します。
特に日本では、ファンからの反応や心の葛藤がストーリーに反映されるため、感情移入しやすく「闇堕ち」がドラマティックに描かれるのが特徴。
今回は、世界と日本のプロレス史に残る代表的な“闇堕ち”をまとめました。
世界を震撼させた歴史的な「闇堕ち」した人物
1. ハルク・ホーガン（Hollywood Hogan）
長年アメリカンヒーローだったホーガンが、1996年nWo加入でまさかのヒール転向。
赤×黄色の象徴的イメージを捨て、黒を基調にしたスタイルへ。
“プロレス史上最大の闇堕ち”として今なお語り継がれています。
2. ストーン・コールド・スティーブ・オースチン
反体制の象徴だったオースチンが、宿敵ビンス・マクマホンとまさかの共闘。
2001年WrestleManiaでの衝撃ヒールターンは、Attitude Eraの終了をも象徴しました。
3. ザ・ロック
1998年、好感度抜群のベビーからCorporation入りしナルシスト系ヒールへ。
マイクワークがさらに進化し、トップスターの座を確固たるものに。
4. セス・ロリンズ
The Shieldを椅子で裏切るという鮮烈なシーンで、2014年にヒール転向。
“建築家”としてWWEの中心人物へ飛躍しました。
5. ローマン・レインズ
2020年、ポール・ヘイマンと手を組み Tribal Chief へ“闇堕ち”。
圧倒的王座防衛記録を更新し、現代プロレス界最高峰のヒールキャラに。
日本のプロレス界で語り継がれる「闇堕ち」した人物
日本では、特に女子プロレス（スターダムなど）を中心にドラマ性の高い“闇堕ち”演出が人気。
ビジュアルや人格が大きく変わるため、SNSでも話題になりやすいジャンルです。
1. 上谷沙弥（スターダム）
2024年、ファンの中傷やユニット崩壊をきっかけにホラー風ビジュアルへ変貌。
ベビーから“闇堕ち女王”へと鮮烈な転向を遂げ、現在も注目度No.1。
2. スターライト・キッド（スターダム）
可愛いマスク少女から黒い虎へ。
2021年、大江戸隊加入による闇堕ちは日本女子プロレス史に残る変身劇。
3. EVIL（新日本プロレス）
2020年、LIJを裏切りBULLET CLUBへ。
名前の通り暗いキャラに完全シフトし、ラフファイトでNEVER王座戦線を席巻。
4. 内藤哲也（新日本プロレス）
ファンから拒否され続けた“挫折”の果てに、ロス・インゴベルナブレスを立ち上げる形で闇堕ち。
むしろ「成功した闇堕ち」として人気は爆発。
5. 蝶野正洋
黒のカリスマとしてnWo Japanを牽引。
正統派からヒールへ見事に転身し、日本のヒール像を根本から変えたレジェンド。
闇堕ち（ヒールターン）に至る経緯
1. ハルク・ホーガン（Hollywood Hulk Hogan）
1980-90年代、WWFで赤黄の正義のヒーローとして絶大な人気を誇ったが、1994年にWCW移籍後、人気が伸び悩む。
本人が「もう善人では限界」と感じ、新たな悪役像を提案。
1996年7月7日PPV「Bash at the Beach」で、侵略者チーム（スコット・ホール＆ケビン・ナッシュ）の3人目として登場し寝返り、nWo結成を宣言。
観客からゴミを投げ込まれるほどの衝撃を与え、プロレス人気を再燃させたMonday Night Warsの火付け役に。
黒白のヒール像は業界の常識を変えました。
2. ストーン・コールド・スティーブ・オースチン
Attitude Eraの象徴的反体制ヒーロー。
2001年WrestleMania 17で宿敵ザ・ロックとのWWF王座戦で、
勝つために最大の敵ビンス・マクマホンと手を組み急転直下のヒールターン。
ビンスに手を貸されロックを攻撃し勝利したが、ファンからは大ブーイング。
反体制のアイコンが権力側に堕ちるショックは大きく、Attitude Eraの終わりを象徴しました
後に短期間でベビー復帰している。
3. セス・ロリンズ
2012-2014年、The Shieldのメンバーとしてベビーフェイス人気に。
2014年6月2日RAWで、突然仲間（ローマン・レインズ＆ディーン・アンブローズ）を椅子で3連打の裏切り、The Authority（トリプルH夫妻）側へ。
理由は「自分こそがグループの頭脳だったのに認められなかった」
鮮やかな裏切りで一気にトップヒールとなり、
「Monday Night Rollins」の立役者に。
4. 上谷沙弥（スターダム）
正統派美女スピードレスラーとして活躍。
2023年に大怪我、2024年にQueen’s Quest崩壊、SNSでのファン中傷が重なり精神的挫折。
2024年7月28日札幌大会で、
セコンド中に舞華を裏切り刀羅ナツコを助けH.A.T.E.加入。
黒い衣装＋ホラー風メイクの「闇に堕ちた不死鳥（フェネックス・クイーン）」に変貌し、ファンに「お前ら」「しもべ」と罵倒。
赤いベルト（世界王座）獲得で大ブレイク中です。
5. スターライト・キッド（スターダム）
可愛いマスクマンとしてSTARSで人気。
2021年6月大田区大会で大江戸隊に敗れ強制加入。
岩谷麻優が救出マッチで勝利したが、キッドは「もっと強くなりたい」と自ら残留を選択。
「黒い虎」として妖艶＆反則多用スタイルに豹変し、岩谷超えを宣言。
現在も大江戸隊のエースとして活躍しています。
6. EVIL（新日本プロレス）
LIJの忠実なメンバーとして人気。
2020年7月New Japan Cup決勝で内藤哲也を裏切り（ディック東郷介入）、
BULLET CLUB→House of Tortureへ。
「キング・オブ・ダークネス」として徹底的な反則スタイルに変貌し、
IWGPヘビー＆インターコンチ王座同時獲得。
現在も新日本最大のヒール集団リーダーです。
7. 内藤哲也（新日本プロレス）
「スターダスト・ジーニアス」として正統派プッシュされたが、ファンに拒否され低迷。
メキシコ遠征後、2015年にLos Ingobernables de Japon結成でアンチヒーローへ転向。
「トランキーロ」マイペーススタイルで爆発的人気獲得。
東京ドームメインを複数回飾るトップスターに。
8. ローマン・レインズ
The Shield解散後、長期ベビープッシュもファン反発。
2020年SummerSlam後、ポール・ヘイマンと組み「Tribal Chief」宣言でヒールターン。
Bloodlineを率いる絶対的族長に変貌し、2020-2024年の史上最長級王座防衛（約1300日）を達成。現代最高のヒールランです。
9. ザ・ロック
当初ベビー人気。
1998年Survivor SeriesでCorporation加入しナルシスティックなヒールに。
マイクパフォーマンスがさらに毒々しく輝き、ストーン・コールドとの抗争でAttitude Eraを牽引。
後にハリウッドスターへ。
10. 蝶野正洋
新日本正統派エースだった。
1990年代後半にnWo Japanリーダーへ。
黒い衣装＆ラフファイト中心の「黒のカリスマ」に変貌し、
日本プロレスのヒール像を確立。
武藤敬司らとの抗争で伝説を残しました。
まとめ
闇堕ちはレスラーの人生を変える“物語の転換点”
プロレスにおける闇堕ちは、単なる悪役転向ではありません。
レスラーの挫折・葛藤・決断が重なり、キャリアを再構築する大きな物語のカギ。
今後どんな“闇堕ち”が誕生するのか。
プロレス界のドラマはまだまだ続きます。
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